宇宙とS²機関、A.T.フィールド

『新世紀エヴァンゲリオン
第弐拾四話』より
今回は昨日投稿した内容の〝ついで投稿〟です。S²機関とA.T.フィールドに関する、公式小説『エヴァANIMA』の興味深い記述を中心に、メモ書き程度にまとめておきます。

※『エヴァANIMA』の描写等は新劇場版との共通点も多く見られる一方、TV放映版と食い違う設定も見られるため、あくまで参考程度にお考えください。

S²機関

ゲーム『エヴァ2』の機密情報より

非公開情報
S²機関の理論は、葛城博士によって提唱された。世界は螺旋で出来ており、DNAの構造と同じその形からエネルギーを得ている。ここから螺旋のエネルギー=無尽蔵のエネルギーを得ようとするエンジンとしてS²機関の存在が構想されていた。



S²機関と宇宙

さらに『エヴァANIMA』では、S²機関の膨大なエネルギー源の正体として、膜宇宙理論でいう所の余剰次元方向に伝播される重力子を再回収したもの、とされています。


『エヴァANIMA』文庫版第1巻93ページより

 S²機関がこの世界に存在する姿は全体の半分に過ぎないというのだ。
 SFまがいの理論物理学者の言葉に、当初同じ科学部スタッフも耳を貸す者は少なかったが、唯一の証明方法/数学が〝反対側〟の存在を導き始めると、そう考えた方が都合がいいことに大半の人々は気付いた。
 (中略)〜 透過スキャナーで見えているS²機関の姿は、二つの螺旋が絡みついて出来た縦横高さがほぼ同じの塊だ。
 三次元宇宙でくちゃくちゃなその塊は、膜宇宙理論の数学的二次元に置き換えると、丸めた布が広がるように鮮やかに形を変える。
 それは膜宇宙の上に放射状八本のアンテナのように広がる。

 膜宇宙理論は、宇宙を二次元と仮定した時、重力だけは二次元面に囚われず高さの方向、すなわち宇宙の外にも逃げている 〜(中略)〜 面の上のエネルギーより莫大な量だ。

 S²機関はその逃げているエネルギーをポンプアップして、この宇宙に戻して使う。

 その八本のアンテナ 〜(中略)〜 これが見えていない反対側だと言うのだ。

数学者が〝反対側〟の存在を導き出したのと似た例は歴史上実際に存在し、それが今日いわゆる「虚数(Imaginary number)」と呼ばれる存在です。
虚数は発見当時、多くの人に受け入れられはせず、それ故にImaginary number(架空の数)という否定的な名称で呼ばれましたが、今では電子機器の設計を始め、原子や電子といったミクロの世界の基本法則の説明において、なくてはならない概念となりました。完全に余談。
上記はもしかするとその歴史を意識したものなのかも...しれませんね。

A.T.フィールドと宇宙

こちらも『エヴァANIMA』では、〝宇宙〟に関連した興味深い報告文書が掲載されています。数学者ルイセンコの仮説によると、A.T.フィールドはその形成プロセスにおいて、エヴァパイロットの主観に合わせたパラレルワールドの一部を再収斂し、その際に巨大なエネルギーを生む、としています。


『エヴァANIMA』連載版 壱章第壱拾参話「地球光」

【地球光。未だ青く美しき】より

【プリンシパル・サイエンス2016/vol28】

ヘッドライン・レヴュウNo.9

    【位相/多世界/主観】

      理学特派員報告(モスクワ)

 極東を中心とした対使徒戦闘は、超生物学イベントであり、その極北は依然オカルトの闇の奥にある。

 しかし、学際的な研究で知られる数学者、Dr.ルイセンコは、近い将来、闇のヴェールの向こうを見るかも知れない。

 彼がいま着目しているのはA.T.フィールド(以下、ATF)だ。「未だ着想の域を出ない」。ルイセンコはそう語る。が、物理的位相空間の定義と量子力学に言う「多世界解釈」をテコに使えば(現象面に限り)ATF形成プロセスの解明が可能だと、彼は考えている。 彼の着想とは『ATFは「多世界解釈」的、分岐宇宙が部分的に再集合して起こす現象』ではないか、というもの。

 量子力学の定説では、観測によって確率(無数に近い可能性)は収斂し、ある状態として出現する。多世界はそれに対するアンチ・テーゼだ。多世界解釈に従うなら、プランク時間(物理的最小時間)が経過する毎、『起こる確率がある、全ての可能性が、全て別の世界へと分岐し続ける』ことになる。

 しかし、これは言葉遊びだ。もし世界が分岐していても、観測者はその中の一つに居る。むろん他の多世界の観測はできない。これでは確率が収斂したも同じで、起こる事は定説と変わらないのだ。

 それでも、なお観測者が「自分は莫大な数に分岐した多世界の一つに存在している」と考えるなら、それは彼の主観に過ぎない。

 しかしルイセンコが正しければ、エヴァはパイロットの主観に合わせ、同じく主観に過ぎないはずの多世界を再度収斂する。そして〝ひも長さ〟の厚みに世界を重合し、ATFを出現させるのだ。

 だがエヴァは、パイロットの衝動でATFを起動し、その主観に沿った世界のみを集めてしまう。また、たった一つの世界でも、その全てを把握するなどヒトのなせる業ではない。つまりATFとして重合するのは、多世界全てではなく、多数の世界の、しかも〝切れ端〟に過ぎないのだ。

 だが、ヒトの主観の曖昧さのおかげで、エヴァが集合させる〝可能性の世界の切れ端〟は数百億から数兆のオーダーに達する。この莫大な数の切れ端は位相空間であり、内に無数の質点ーー粒子を含む。粒子は不確定性の振動が生む「零点エネルギー」を持っており、それが集合して生まれる巨大エネルギーが、ATF形成の根源となる。

 事実、ATFの効力は、パイロットの資質や、その時々の精神状態に大きく影響される(らしい)。それが事実なら、まさにATFがパイロットの主観を具現化している証拠だ。

連載版壱章は執筆を陰山琢磨さんが担当したこともあって、文庫版とは表現に大きく違いがあります。しかし連載当時に公式小説として世に出たのは事実ですので、あくまでやはり〝参考資料〟としてお考えください。

文庫版では削除されていますが、アスカとサンクがロンギヌス境界面の突破を試みる際、吸い付けられていたのはこのルイセンコの仮説が関係しておりました。

『エヴァANIMA』連載版 壱章第壱拾四話「絶滅球」
【キャン・オープナ】より

マヤ「2016、ルイセンコ! ATF現象の多世界的解釈。あの雑なモデルそのものだわ!」



今回、多世界解釈(≒パラレルワールド)というキーワードが含まれているので、新劇場版で囁かれる噂を考慮し敢えて載せました。

※補足

文庫版『エヴァANIMA』第1巻99ページより

水里助教授「S²機関みたいにエネルギー引き出せるほどではないが、コアも少々は次元干渉してる」

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