世界AB説について。[検証・否定]

まえがき

以前、ツイートでも申し上げた通り、私は既存の説をまず否定してから考えます。
このサイトでも既に「アスカとマリ親子説」「槍と神エネルギー云々」についてアンチの立場としてこれらを否定してきました。

今回もその流れで以下の説を否定しますが、今回はこれまでと違い、特定のサイト様を名指しで否定してしまうような内容となっております。
ですので、一部の方は不快に思われるかもしれませんが予めご了承ください。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の序・破では、それぞれ2種類の地球と月が存在している

という、巷で有名な考察をご存知でしょうか。
この、世界が2つ存在するという仮説を前提とした大規模な考察は、
  1. 海だけが赤い地球と陸だけが赤い地球
  2. 通常の月と血痕がある月
  3. Q予告の矛盾
以上の3点が主な根拠となっています。

上記について、当該サイト様では具体的なシーンと共に詳しく解説されており、読んで「これは正しいのでは?」という考えから公式設定かのように発言をされる方も多く見受けられます。

正しいと思わせる、巧みに誘導するような文章ですが私は読んでいて違和感を覚えました。
以下で上記の根拠と違和感について解説します。

※上記の説を以降「世界AB説」と呼称します。
※このページは世界AB説を読んだ(知っている)前提で話を進めます。

1. 海だけが赤い地球と陸だけが赤い地球

これはざっくり解説しますと、シンジ達のいる地球が通常描かれている通りの「海だけが赤い地球」なのに対して、カヲルのいる月から見上げる地球は別物「陸だけが赤い地球」ではないか?というもの。


…突然ですが、以下①〜⑤の画像について考えてみてください。

「海が赤色」「海が青色」どちらでしょう?

①「海が赤色」or「海が青色」

②「海が赤色」or「海が青色」

③「海が赤色」or「海が青色」

④「海が赤色」or「海が青色」

⑤「海が赤色」or「海が青色」

いかがでしょうか?

よーく〝見て〟判断してから、次に進んでみてください↓
















では以下に、それぞれのシーンの全体と、世界AB説が正しい前提で解説を交えて紹介します。
①の画像の全体です。『破』にて、月面に訪れたゲンドウらに対してカヲルが
「初めまして、お父さん」
と言うシーン。
ここに写る地球は

海が青色

でなければなりません。
※Blu-rayで確認するのが面倒だったので金曜ロードショーの映像で失礼します。

②の画像の全体です。『破』にて、第8の使徒に対してN²攻撃を仕掛けるシーン。
ここに写る地球は

海が赤色

でなければなりません。

③と④の画像の全体です。上記の画像と同じく、ここに写る地球は

海が赤色

でなければなりません。

⑤の画像の全体です。『破』にて、月面のカヲルが地球に手をかざす?シーン。
初号機が覚醒する前なので、ここに写る地球は

海が青色

でなければなりません。

結果を見てどうでしょう。ご自分の判断した〝色〟と合致しましたでしょうか? しなかった方が多いのではないでしょうか?


…詳しい説明は後に、突然ですが以下の画像の

カシウスの槍、何色でしょうか?






正解は、カシウスの槍自体は赤です。
青や銀色に見えた方もいらっしゃると思いますがよーく見てください。といっても赤に見えないかもしれません

そう、光の具合によって我々の目で見る動画像内の色は別の色に見えなくもないのです。

上記①〜⑤の画像はすべて太陽の光が当たっている地球の姿。比較的明るい色に見えやすくなっているのです。

では、そうでない地球のシーン↓
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて4号機が消滅するシーンです。夜のアメリカ周辺を映したこの地球は何色に見えますでしょうか…?
陸は通常通り、海は赤色。本当にそう見えますでしょうか??

2. 通常の月と血痕がある月

カヲルが登場する月面「静かの海」には赤い血のような痕があります。
この赤い線が、シンジ達のいる地球からは見えていないという指摘。
確かに映っていません。(「赤い痕が見えない月」)

しかしよく考えてみてください。

こんなほっそい線が、果たして見えるものでしょうか? それも地球上から。
(そもそも先の地球の話と違って、地球上から「赤い痕が見える月」という具体例が挙げられないという点が、さらにこの根拠の弱い所です)

また、この説の解説後の

サードインパクトによって二つの地球と月はそれぞれ合体し、Qでは以下が合体した月である

という主張に関して、当該の記事内でも指摘がある通り、この解説には致命的な欠落点があります。それが以下です。

2011年8月26日の金曜ロードショー『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版』にて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の新予告映像が公開されました。

この動画内にて、上記の説を無に帰すモノが映ります。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の「赤い痕が見える月」です。宇宙空間ですから距離的にさすがに赤い痕は見えていますね。
これは紛れもなく『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で映った月と同じものでしょう。そして『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に映る白い月が、「合体した月」説とは無関係である事を示しています。

さらに

画コンテ(欠番カットナンバー402 I 改)によると、月面にある赤い痕は、セカンドインパクト発生時に南極点から吹き出した血糊が付着した物である事が明らかになっていて、これも「血痕がない月」などというものがそもそも存在しない事を示しています。

3. Q予告の矛盾

予告で「廃棄される要塞都市」というセリフと共に映し出されるカット。

しかし、実際には天井の要塞都市が全て吹き飛んでいるように見えるという指摘。
これはごもっともな指摘だと思います。

しかし以下を確認してみてください。
初号機が擬似シン化第2形態となったこのシーン。
画コンテを確認してみると、
ジオフロントの天井自体は一部残っていて、完全に吹き飛んではいない事が確認できます。

そしてその要塞都市。

予告の画コンテを確認すると「十字にめくれ上がった地表」が描かれていません。
うーん、どうやらそもそも予告がおかしい気がしますね。
まぁ、公開直後の予告なんてアテにする方が悪い…という事でしょうか汗
いずれにせよ、「十字にめくれ上がった地表」の先端がボロボロと消滅する点を踏まえても、実際の描写と予告が矛盾するので世界AB説の指摘も無効だと考えます。

インパクトで世界Aと世界Bが合体したのだとしても、以下の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の惨状に説明がつきません。
では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のこの綺麗にめくれ上がった地表と周りの惨状のシーンは一体なんだったのか?


それはまた今度、機会があれば
解説したいと思います。

余談ですが

世界AB説では以下のような解説があります。
ガフの扉Aとガフの扉Bが繋がってAの世界とBの世界を行き来できる状態になりました。
Bの世界の住人であったカヲル君も、ガフの扉を抜けることによって、ついにAの世界に辿り着きました。
『破』の最後でガフの扉が開いて世界Aと世界Bとが繋がった
ガフの扉が開いて『カヲル君』『Mark.Ⅵ』『カシウスの槍』が世界Bから世界Aに移動した
しかし、Mark.06がカシウスの槍を投擲し、初号機に到達した直後にこのガフの扉(正確にはバラルの扉)は閉じてしまうので、そもそもMark.06が世界Aに到達する事はできないはずです。

次に、

このガフの扉を基準とすれば、世界Aと世界Bの合体を継続させることができるはずです。
という解説がありますが、これも画コンテを確認する限りリングは「十字にめくれ上がった地表」内部から出現したものであり、バラルの扉が「世界Aと世界Bが合体する基準」にはなりえません。

もう一つ。

カヲル 『まさか第1使徒の僕が、13番目の使徒に堕とされるとは・・・』
尚、このセリフを解釈する際のポイントは、カヲル君が『第1の使徒』ではなく『第1使徒』と言っている点。
たった一文字の違いが全てを覆す布石になっているんです。
この解説では、使徒のナンバリングについて『第○使徒』と『第○の使徒』の違いについて言及しているわけですが、

ゲンドウ「監視対象物を第9使徒と識別する」

(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』より)

というセリフがあるように、カヲルの「第○使徒」発言は劇中特別なものではありません。

これらを前提に考察が進められているひとりよがり日記様には、「世界AB説」が正しければ辻褄が合いそうな解説が沢山あり、「これは正しい」と思われる方がいても無理はないと思います。
ただ、それらの解説はあくまで「世界AB説」が正しい前提での話であり、「世界AB説」を直接的に裏付けるものではないのです。

しかし、このページによって上記の前提と「世界AB説」が仮に崩れたとしても、当該サイト様には数多くの発見が記されています。
逆に言えば、それらは「世界AB説」が正しくなかったとしても注目すべき発見であると同時に、「世界AB説」とは関係のない発見なのかもしれません。

私が言いたい事

ネット上には沢山の考察・説が存在します。それらを何となく読んで理解したと思い込んではいませんでしょうか?

個人的に楽しむ分にはどう読んでも誰も文句は言えません。
ただし、その内容を人に教えるのであれば話は変わります。

今回の赤い海のように、提示された画像をしっかり確認していますか?
解説に細かい計算が出てきた時に、それが正しいという事を検証していますか?

それをせずに理解した気になるのは怠惰というものです。
知った考察・説を周りの人にもお伝えしたいお気持ちはよくわかりますが、それはあなた自身が、その解説者と同じくらい理解していなければ破綻してしまうのです。

最後に

考察はあくまで“考察”です。どんなに正しそうな説でも、それが真である確証はありません。「この考察・説が正しい」と断言はせずに、「こんな考え方もある」程度に考えておきましょう。

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金曜ロードショー版予告について

アルマロスの部屋

2015年~2017年にかけて、Q&Aアプリ〝LINE Q〟で活動していたEVA Mark.06が管理するウェブサイト。 2017年のLINE Qサービス終了に伴い、LINE Qに投稿していた内容をNAVERまとめに再投稿、新規投稿もしています。

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